状態異常対策の変遷とカビゴンパーティについて

一撃無し2000ルールでの対戦において圧倒的人気を誇った55カビゴンAであるが、
昨今の対戦環境においてイマイチ振るわないのはなぜだろうか、という質問を受けたので
その問いに対する筆者なりの考えをこの記事で記述することにする。

カビゴンA全盛期はカビガラポリの2004年に始まり、2011年の夏に終わったというのが筆者の認識である。
そもそもカビゴン全盛期に於ける対戦環境は、即ち状態異常を撒きあう取り巻きの相性に拠る所が大きいものであった。
初期は状態異常技の他に持つ、攻撃技の相性であり(ex.スターミーに対するサンダー)
後期は無効属性を生かした状態異常対策であった(ex.カビパルクインに於けるニドクイン)*1
そして、決定的な要因とはいわゆるクソカビの存在とそれによる以降の対戦環境の変化と思われる。
つまりは状態異常撒きの対処の方向性が変わり、カビゴンパーティでは状態異常の撒きあいで不利となることが殆どとなったのである。

ここでいう新しい状態異常の対処の方向性とはつまり、状態異常を「かわす」時代のことであり、
それによって状態異常をかわす形を作りづらいカビゴンが死滅した形と言えるだろう。
この状態異常を「かわす」対策は、カビゴン全盛期後期の無効属性を生かした取り巻きにもその片鱗が見られたが、
現環境では、さらにそれが進化した形となっている。
当時その、無効属性を生かした取り巻きの代表としてニドクインハガネールが存在する。
電気と毒を無効属性として持つため、電磁波や毒毒を無効化できるというアドバンテージを持つが、
状態異常一般の対策としては充分でなく、眠りを受けてしまうという弱点があった。

さて、前述した「かわす」方向性を具体的に述べたいと思う。

  1. A以外の寝言(クソカビ)
  2. 高速爆破+奇跡の実(マルマイン、ナッシー)
  3. 身代わり(威張る身代わりサンダー、あやみが悪夢スターミー、メロメロフーディン)

1については殆どクソカビの事と言っていい。つまりは状態異常技を持つ特殊一般に対し、充分な耐久を持ち*2
かつ寝言で状態異常を拒否することができるキャラである。
拡大して解釈するならばブラッキースイクンハピナスまで含めてもいいだろうが、それでも耐久力の問題は付いてくる。
この対策は昨年までは非常に有効に機能したが、現在ではクソカビありきの環境となり、構築時の下地以上にはなりえない。
2については当ブログのライターの一人であるCHの、ガラガラニドキングWAがこの方向性として顕著である。
とにかく先手で状態異常を撒き、奇跡の実での無効化や先手大爆発のターンカット、一方的に状態異常を撒けない場合は大爆発でチャラにするなど
要は展開を高速化して相手側の状態異常を撒く機会を削ってしまう方法である。
現環境で最も流行している対処法であるが、そもそも大爆発を使えるキャラが限られているため、
これを対策の軸とする爆破速攻戦術の取り巻きは殆ど開拓されつくしたと見ている。
3についても大方開拓されつくしてはいるが、新規に有用な戦術が現れるとしたらここからだろうと思っている。
特徴としては身代わりを用いるため、交換際の状態異常に弱いという欠点があることである。
これらの対策は基本的にどの状態異常撒きにも普遍的な対策になる。

以上のような対策に普遍的に対抗できる状態異常撒きキャラというのがそもそも金銀には少ない*3
というのはつまり状態異常+状態変化技という形の構成ができるキャラであるが
宿木の種+各種状態異常粉(ナッシー、フシギバナ)、毒アンコール(フーディン)など数えるほどしかおらず、
その上上記の状態異常対策の普遍的な対策となりえない(宿木のタネ+状態異常粉は3に対して封殺されやすい)のが
状態異常側の苦悩である。

カビゴンパーティ側にも大きな+の要素(フォレトスを倒せる)が出てきたにもかかわらずカビゴンパーティが環境で強くないのは
以上のような理由であるというのが筆者の見解である。
なお、腹太鼓身代わりカビゴン+マルマインという戦術である程度の対策はできるが、これも状態異常の対策として完全ではないのが痛い。

*1:カビパルクインについてはSEKIEIGYMを参照されたい

*2:耐久力が足りないと、火力で強引にどかされ状態異常の対策ができなくなる場面ができる

*3:これが筆者がセレビィ解禁を切に望む理由の一端ではあるが、この記事においてさほど重要ではない。因みにセレビィが解禁されても大きなバランスの変化はないと踏んでいる。