影分身の使い方
金銀の影分身(以下小さくなるも同様)は、赤緑時代とは違って1回や2回使うだけでは恩恵が少ない。
その上ポケモン全体の耐久力も高く、たとえ積み切ることが出来たとしても火力不足で相手を倒せないことが多く、
それでは意味が無い。影分身はただの防御策でしかないのだ。
これをまともに積んで戦おうとすると、当然毒などを盛られておしまいとならないために回復手段は必要であるし、
こちらが影分身を積んでいる間に相手に鈍いや剣の舞を積まれてこちらを一撃圏内にされてしまっては、
1回でも相手の攻撃が当れば倒れてしまうというただの甚だしい運ゲー(しかも多くの場合不利)でしかない。
それを避けるためにこちらも防御力を上げる技(素早いポケモンならば身代わりでも可)が必要となり、
ここまで来ると影分身・回復技・防御UP技(or身代わり)まで固定され、残りの技は一枠しか余らない。
このたった一枠の技で全抜きを図れるのは、一撃技・転がる・連続斬り・指を振る・サイコウェーブぐらいなものだろう。
一撃禁止の環境に於いてこの中で現実的なのは転がると連続斬りぐらいであり、
結果的にこの方針でまともに戦えるポケモンはかなり限られる。*1
では、これらの条件のいずれかを少し妥協してみるとどうだろうか。例えば
カビゴン ノーマル技/鈍い/影分身/眠る@食べ残しor薄荷の実or光の粉
というカビゴンが時々存在する。
これは回復技・防御UP技に関しては条件を満たしているため防御面に関しては申し分無い。
問題は攻撃面で、鈍い+ノーマル技一本であるのでゴーストや鈍いエアームド等を突破することが出来ない。
ただしポイントは2つある。
まず1つ目は、逆に言えば相手にそれらのポケモンが居なければかなり全抜き性能が高いという点。
ゴーストは追い打ちで狩ることも出来る。眠るの無いハガネール等はいずれ突破出来るだろう。
2つ目のポイントは、「鈍いエアームド等はタイマンでこのカビゴンに勝てるんですか?」という点。
カビゴンのPPを切らしたあと、回避率と防御力が上がっているカビゴンを倒すことが本当に出来るのだろうか。
これをドリル嘴などの攻撃で倒すことが出来なければ、お互い悪足掻き状態になり、
そうなれば回避率が上がっているカビゴン側が有利になることは必定。カビゴンが食べ残しを持っていれば尚のことである。
結果的に、このカビゴンは一匹残しから鈍いエアームドを倒せる可能性が十二分にあり得るのである。
もちろん、どくどくや砂嵐を持たない丸くなる+眠るフォレトス等も同様。
悪足掻きは属性の影響を無視するため、タイマンならば呪い等を持たないゴーストにも有利である。
他に、自分で影分身を使わずとも別のポケモンに影分身させ、バトンタッチさせるという手もある。
これならば技枠に余裕が出来るため、攻撃範囲を格段に広げることが出来る。
例としては55地震カビゴン+影分身バトンタッチサンダースなど。
当然この場合は、バトンタッチするポケモンが早々に倒されてしまっては元も子も無いということと、
技枠は広がってもポケモンを2匹費やしてしまうという大きなデメリットは付き纏う。
さて、全抜きを妥協する以外の他の妥協方法は無いだろうか。
初めに「影分身は1回や2回使うだけでは恩恵が少ない」と言ってしまったが、光の粉を持てばその限りではないかも知れない。
ここで、影分身を積んだ際の、命中率100%の技と命中率70%の技それぞれの命中率の下がり方を、光の粉の有無別で見てみよう。
回避率ランク | 命中率100の 技の命中率 | 命中率100の技の 命中率(光の粉持ち) |
命中率70の 技の命中率 | 命中率70の技の 命中率(光の粉持ち) |
0 | 100.0 | 91.8 | 69.5 | 61.7 |
+1 | 74.7 | 66.9 | 52.1 | 44.3 |
+2 | 59.8 | 52.0 | 41.7 | 33.9 |
+3 | 49.8 | 42.0 | 34.8 | 27.0 |
+4 | 42.8 | 35.0 | 29.9 | 22.1 |
+5 | 35.9 | 28.0 | 25.0 | 17.2 |
+6 | 32.9 | 25.1 | 22.9 | 15.1 |
このように、光の粉を持っていれば影分身を1〜2回積むだけでも意外と馬鹿に出来なさそうだ。
5割〜6割前後の確率が多いので、甚だしい運ゲー成分を払拭するのは難しいかも知れないが、
耐久力の低い高火力ポケモンに光の粉を持たせ、1回か2回だけ影分身を積んでから猛攻するという戦法も、
一考の余地はあるのではないだろうか。*2