奇襲について

相手に型バレしていないことを利用して崩す方法。
奇襲には大きく分けて、
「こっちが何をやって来るか相手が全然知らないことを利用した、いわゆる初見殺し・分からん殺し」
「恐らくこうだろうと相手に予測させ、その予測を大きく裏切る」
この2通りがある。


前者で代表的なのは泥棒やカウンター。
持っているか持っていないかではなく、そもそも「持っている可能性」自体を忘れられがちなので、
無警戒な相手の不意を突きやすい技である。
ただし泥棒エアームド等、一般に浸透している型では当然ながら奇襲にはならない。
逆に言えばこのようなポケモンは、バレていてもそれをチラつかせて相手の行動を制限しながら戦えるということ。
カウンターサイドンやカウンターカビゴンもその類だろう。

一方、後者で典型的な例は役割破壊(ただし一般的でないもの)。
ハピナスバンギラスで受けられるファイヤーに目覚めるパワー格闘を持たせる、
カイリキーで受けられるバンギラスに目覚めるパワー飛行を持たせる、
ブラッキーが出て来て甘えて来るのを見越してガルーラに身代わりを持たせる、などなど。
「流石に持っていないだろう」と相手に思わせるものほど効果は大きい。
中でも目覚めるパワーは誰でも簡単に使える役割破壊で、
特に攻撃力や特攻の高いポケモンに持たせると絶大な効果を発揮する。

ただし注意すべきは、相手の弱点を突くために攻撃範囲を広げることばかりにこだわると、
鈍いカビゴンにあっさり全抜きされたり、甘えるブラッキーを突破出来なかったりと、
「属性を利用せず耐久力の高さで受けて来るポケモン」に対して弱くなってしまうという点。

予測を裏切るタイプの奇襲は、他にも色々ある。

  • めざパフェイク

例えばガラガラに目覚めるパワー蟲を持たせつつ、HP努力値を下げて目覚めるパワー飛行の時と同じ値のHPに調整する。
これによって、ガラガラのHPを見てめざ飛だと判断して出て来たナッシーに対してめざ蟲で一撃で倒すことが出来る。
当然ながらHPを「増やす」ことは出来ないので、その逆のフェイクは不可能。
また、そもそも目覚めるパワーを持っていないが持っていると思わせるためにHPを下げるという手もある。

  • その場で有効な技を敢えて使わない

例えば大文字を持ったバンギラスエアームドに対して暫くのあいだ噛み砕くしか撃たないと、
相手は「このバンギラスエアームドで受かる」と思い込み、エアームドバンギラスの前に居座らせるようになるため、
そこで大文字を打って一気に片を付ける、等という方法。

  • 寝言自爆

低レベルのカビゴンを素眠りまで追い込んだら、普通は寝言を警戒する。*1
寝言カビゴンとなるとノーマル技+鈍い、もしくはクソカビなどが挙げられるが、
ここで寝言を使いつつ突然自爆して相手を共倒れにしてしまうという戦法。
眠ってしまった低レベルのカビゴンに対して強気で攻めて来る55サンダーやガラガラ等に対しては特に有効な奇襲となり得る。
ただし寝言を選んだ時にどのタイミングで自爆が発動するかは分からないので、
「ここは相手が居座る」と確信出来たターンに寝言を選択しないと、ムウマ等が出て来た際に悲惨な状態になりかねない。


全般的に言えることとしては、
不意を突くと言ってもただ変な技を変なタイミングで撃てば良いというものではなく、
「相手の対応を予測する」ことが大切だということ。
また、これらは1試合ごとのパーティ変更を許可された大会においては非常に重要な概念であるが、
逆に普段からこれに頼り過ぎると、汎用性の高いパーティの組み方、型バレしながらの立ち回り、と言ったスキルが培われないというのは言うまでも無い。

*1:素眠りならそれはそれで全く怖くない。