PP戦を制す 〜後篇〜

前回の記事の続き。今回は、眠りによるPP節約以外の面について触れる。

  • 相手を麻痺させない

眠りと同様に麻痺も、1/4の確率ではあるが1ターンPPを節約することが出来るので、
もちろん連続で痺れた際に攻撃技で倒されるような事故がまず起きないという前提でだが、
極力自分は麻痺した方が良いし、相手は麻痺させない方が良い。
例えば電磁波のPPが大量に残っている場合、一旦相手を麻痺させてからそのまま連打するか、
攻撃技を打って相手が眠ったら、その間に無駄打ちするという、どくどくと同じような消費の仕方をしたい。

  • 冷凍ビーム(or冷凍パンチ)がある場合

これらの技を持っている場合、それだけでPP戦は物凄く有利になる。
というか、PPの問題になる前に、当然凍らせればほぼ勝ちとなる。
冷凍ビームを16発全て当てれば、相手がいずれ凍る確率は81%、冷凍パンチ24発分だと92%まで上がる。
しかしながら相手は、眠っている間にこれらの技を打たせることによって、凍る確率を低めるという手がある。
当然、打つ側としては、相手が起きている状態で全てこれらの技を当てるのが理想的。
相手が眠ったら、他の無駄技を打つようにしたい。
先制の場合は簡単だが、後攻の場合は「相手がこのターンに起きる」というタイミングを計って打つ必要がある。

  • 凍結を回避する方法

冷凍ビームor冷凍パンチを持っているポケモンよりも自分が早く、かつ後攻技*1を持っている場合、
眠りから覚めるターンに後攻技を使うことで、1ターン分長く「眠っている状況」で相手の攻撃を受けるため、
そのターンには凍る心配は無くなる。

先攻の行動 後攻の行動
ライコウの眠る ハピナスの何か
ライコウ眠っている ハピナスの何か
ライコウ眠っている ハピナスの何か
ハピナスの冷凍ビーム ライコウの吠える
ライコウの眠る ハピナスの何か

この流れで、ライコウは眠っている状況で冷凍ビームを受けるので、絶対に凍らない。
もちろん起きるターンに吠えるを選択することをハピナス側が知っていれば、冷凍ビームを打つターンを1ターン遅らせれば良い話だが、
ハピナスは相手が眠っている間に打てる無駄技のPPがあまり多くない場合が多い。
スイクンなんかも同様である。*2

  • 冷凍ビーム(or冷凍パンチ)をいつ使うか

どちらにせよ全てヒットさせれば8割以上の高確率でほぼ勝てるのだから、
先に相手に何度も当てた方が勝利は近くなる。しかしそれが幻となった場合はどうだろうか。
前回の記事に書いた通り、こちらが攻撃技を打っている間、相手は眠るでPPを節約することができ、
しかもこちらの攻撃手段がそれだけだった場合、全て打ち切ってしまったら、たとえ相手が先にPPが切れても倒せないという状況にもなり得る。
普通にPP戦をした場合にどちらが勝つか非常に際どいというなら、
凍結により勝利を近づけるために先に冷凍ビームor冷凍パンチを連射するのが良いが、
お互いのPPを計算した上で、普通にPP戦をしてもこちらが勝てるという確証があるなら、
寧ろ欲張らずに、前回の記事に書いた通り、攻撃技を最後に残しておく方が安定行動となる場合もある。

  • 相手のPPを切らせたら本当にそれで勝ちなのか

ここまでは基本的に相手のPPを先に切らすための手段について書いたが、
相手のPPが先に切れただけではこちらの勝利とは限らない。
以前、こちらの記事でも似たようなことについて触れたが、悪足掻きを連打して来る相手に勝てるかどうかも考慮する必要がある。
例えば「50フォレトス 鈍い/めざ蟲/撒き菱/眠る@薄荷の実」vs「55カビゴン 捨て身タックル/鈍い/影分身/眠る@食べ残し」というような場合、どうなるだろうか。
撒き菱のPPにより、フォレトス側が少しだけPPの量で勝ち、カビゴンのPPを先に切らすことが出来るが、
回避率が上がり切った上に食べ残しまで持っているカビゴンを、フォレトスが目覚めるパワー蟲だけで倒すというのはハッキリ言って無茶な話である。
鬼のような強運を出さないと突破は不可能。
つまりカビゴンは、悪足掻きを連打しつつも、常にほぼ体力満タンの状態をキープ出来る。
その間フォレトスも結局PPを消費し、こちらも悪足掻き状態になってしまう。
こうなったら結果は一目瞭然。お互い悪足掻きを打ち合えば、回避率が上がっている上に食べ残しまで持っているカビゴンが勝つのである。
PP戦はここまで考える必要がある。
この場合フォレトスは、どくどくや砂嵐を持つことによって、このような事態を回避することが出来る。

別の例として、「ブラッキー どくどく/甘える/眠る/寝言@光の粉」vs「フーディン サイコキネシス/身代わり/何か/何か@食べ残し」というケースもある。
この場合、まず向き合った瞬間にフーディンは身代わりによってブラッキーの全ての技をシャットアウトすることが出来る。
しかもその身代わりは、ブラッキーが悪足掻きを使えるようになるまで一生壊すことが出来ない。
このケースでは、たとえフーディンが先にPPが切れても、ブラッキーのPPが切れない限りは身代わりが残った状態で悪足掻きを連打することになる。
悪足掻きの反動ダメージは身代わりでなく本体に入り、その分は毎ターン食べ残しで回復出来るので、
このフーディンも上の例のカビゴンと同じく、悪足掻きを打ちつつ体力満タンをキープ出来る。
ブラッキーは結局、自分のPPも切れるまで何も出来ないのである。
更には、フーディンブラッキーに対して必要攻撃回数だけ悪足掻きを当てれば倒せるが、
ブラッキーフーディンに対して身代わりを壊す分だけ余分に悪足掻きを打たなければならない上に、フーディンは食べ残しまで持っているので、
結果的にフーディンが有利となる。

  • 明らかに勝てない場合は諦める

お互いのPPを計算し、PPで勝てるか、また上記のようにPPが切れた後のことも考慮して勝てるかを考えた上で、
どう考えても自分が負けると判断した場合は、
相手に時間を取らせるのも失礼なので潔く投了するのが良いと思われる。

*1:吠える、吹き飛ばし、カウンターetc.

*2:冷凍ビームを持ったスイクンは、どくどくや吠えるが無く寝言の場合が多い