滅びの歌を使う際・使われた際の注意

滅びの歌に関する立ち回りの資料は今ではあまり残されておらず、
新規の方に伝承されていない部分が多いと思ったので、
ひとまず基礎的な所だけ、自分なりにまとめてみようと思う。

  • 単発の滅びの歌を撃つ際の重要な注意点

Aさん:ムウマ(攻撃技無し)+スターミー
Bさん:55カビゴン(寝言)+エアームド(吹き飛ばし)

例えば、このような場合。
基本的にAさん側はカビゴンムウマで、エアームドをスターミーで受けられる。
また、Bさん側はムウマエアームドで、スターミーをカビゴンで受けられる。

turn-0

まずムウマカビゴンが対面した状態とする。
ムウマエアームドにダメージを蓄積させて素眠りに追い込むことが出来れば、
黒い眼差し+滅びの歌のコンボを決めることが出来るが、今回は攻撃技が無いためそれが出来ない。
カビゴンと対面したターンに黒い眼差しを撃っても、エアームドに安定して受けられるため、埒が明かない。
よって、先に単発で滅びの歌をかけるということをしてみる。

turn-1

当然、Bさんはエアームドにチェンジして来る。ムウマエアームドに滅びのカウントがかかる。
この状態で、次にムウマが黒い眼差しを撃つという試合を時々見かけるが、Bさんがカビゴンに再びチェンジしたらどうなるだろうか。
以下、カッコ内は滅びカウント。

turn A B
0 ムウマ カビゴン
1  
滅びの歌(3)
エアームドにチェンジ
(3)
2  
黒い眼差し(2)
カビゴンにチェンジ
 

滅びのカウントはムウマにだけ残ってしまうことになる。カビゴンをロックすることは出来るが、その後滅びの歌をかけ直しても、ムウマが先に滅んでしまう。
つまり、どこかしらでムウマは引かなければならない。しかし交代先はスターミーで、カビゴンを受からない。
結果、カビゴンから崩されてしまうというパターンがある。

スターミーの枠が、もっとカビゴンの攻撃を耐えるポケモンならば構わないが、
むやみにこのような滅びの歌の使い方をすると、自滅の危険性がある。
ここでポイントなのは、単発で滅びの歌を喰らったBさんがすぐにカビゴンにチェンジしている点。
ムウマに対して不利なカビゴンを後出ししているが、滅びカウントの関係でムウマが先に滅ぶので構わない。
逆にここでエアームドが居座ってしまうと、もしムウマが守るを持っていたりする場合、次に1回守られるだけで確実にエアームドが滅ぼされてしまう。
よって、Bさん側は単発で滅びの歌をかけられたら即カビゴンに戻すのが安定策となる。

また、エアームドが滅びの歌をかけられた次のターンに吹き飛ばしを使うというパターンも時々見かけるが、これはもっと良くない。

turn A B
0 ムウマ カビゴン
1  
滅びの歌(3)
エアームドにチェンジ
(3)
2 スターミーにチェンジ
 
 
吹き飛ばし、ムウマが出て来る(2)

Aさんはエアームドが出て来たらスターミーにチェンジするというのはごく自然なことなので、このような流れになるだろう。
この先どうなるだろうか。エアームドは滅びカウントを解除しようとカビゴンにチェンジすると、ロックされてしまう危険性がある。
かと言って、このまま居座っていると滅んでしまう。
まだ読み当てれば助かることは出来るが、冒さなくて良い危険を自ら冒している
エアームドは吹き飛ばしによって、自らの滅びカウントを残したまま相手の滅びカウントだけを解除してあげているようなものである。

かつては「単発滅びの歌に対しては即交代」という格言のようなものがあったぐらいで、
実際にこの立ち回りミスによって試合を落としてしまうという場合も多々あるため、
この立ち回りは忘れないようにしたい。

ただし、この例で「カビゴンがスターミーを倒す速度」よりも「スターミーがエアームドを倒す速度」の方が早ければ、この限りではない。

Aさん:ムウマ(攻撃技無し)+55スターミー(10万ボルト・奇跡の実)
Bさん:50カビゴン(クソカビ)+エアームド(吹き飛ばし)

例えば、このような場合。
スターミーはカビゴンののしかかりを2発耐え、麻痺も1回は直せる。
一方エアームドはスターミーの10万ボルトで確実に2発で倒れる。

turn A B
0 ムウマ カビゴン
1  
滅びの歌(3)
エアームドにチェンジ
(3)
2  
黒い眼差し(2)
カビゴンにチェンジ
 
3 滅びの歌
(1)
 
のしかかり(3)
4 スターミーにチェンジ
 
 
のしかかり(2)
5 10万ボルト
 
 
のしかかり(1)
6  
10万ボルト
エアームドにチェンジ
 

結果、いずれエアームドに10万ボルトが直撃することとなる。
このパターンを繰り返せば、Aさん側はスターミーから相手を崩すことが出来るだろう。
これは逆にAさん側が、滅びカウントを有効活用している例である。
このように、一見お互いガン受けが成立していても、滅びの歌の捻った利用で均衡を崩せる場合がある。

  • 滅びの歌+守るへの対処

基本的に、滅びコンボ使いが出て来たらすぐコンボ封じ要因を出し、
黒い眼差しを撃たれたらすぐに吹き飛ばし、滅びの歌を先にかけられたら先述のように交代しなければならない。
「1ターンぐらいなら」と思って、すぐ吹き飛ばさずに攻撃技を撃ったりすると、50%の確率で即死することとなる。

turn A B
0 ムウマ カビゴン
1  
黒い眼差し
エアームドにチェンジ
 
2 滅びの歌
(3)
 
ドリル嘴(3)
3 守る
(2)
 
吹き飛ばし失敗(2)

この次のターン、ムウマが2回目の守る*1を成功させれば、その時点でエアームドは滅ぶことが確定する。
また、守るが失敗しても吹き飛ばしが決まるだけで、ムウマ側にリスクは何一つ無い。*2
守る持ちのムウマに対して、コンボ封じポケモンは一時たりとも余計な行動をする猶予は無い。
また、ムウマ側は吹き飛ばされることで後ろのポケモンが無償降臨出来ることを利用し、
ムウマの後ろに、受けが利きづらいポケモンを控えさせておくと強い。

単発滅びの歌に対して即交代をしなかった場合は即死である。

turn A B
0 ムウマ カビゴン
1  
滅びの歌(3)
エアームドにチェンジ
(3)
2 黒い眼差し
(2)
 
ドリル嘴(2)
3 守る
(1)
 
吹き飛ばし失敗(1)

これらを踏まえた上で、蒼い月メモ代わりに記載されているようなテクニカルな立ち回りもあるのだが、
それは特別な条件や読みが必要であることが多いため、
まずは基礎となる立ち回りを確実に出来るようにしておくことが大切だと思う。

*1:成功率50%

*2:2ターン目に打ったドリル嘴が、ガラガラの地震並の強さだったら話は別だが。