地震カビゴンとめざ蟲フォレトスのタイマン

初めに断っておくと、今回書く内容は全てジムリーダーの城のPBS環境に限った話であるので、ご了承頂きたい。

めざ蟲フォレトス地震カビゴンにタイマンで勝てるのだろうか

フォレトスは地震カビゴンを受からないことを以前書いたが、
今回は55カビゴンvs50フォレトスの完全なタイマンについて考えたい。
タイマンならばフォレトスは初めから丸くなるor鈍いを積めるので、後出しした時のように崩されることはまず無い。
なお、55カビゴンと50フォレトスはお互い鈍いを6回積み合ったら小数切り捨てにより同速になってしまうと以前説明したが、
PBSでは確実にフォレトスが先制出来るようなので、*1攻撃の順番が前後してフォレトスが事故るというパターンも無い。
フォレトスがどくどく+丸くなるのような型ならば、カビゴンのPPを切らした上で毒を仕込めば勝てることは自明。
また、大爆発については、今回はタイマンを想定したいので考えない。
よって、次のような構成を想定する。

55 カビゴン 捨て身タックル/地震/鈍い/眠る@食べ残し
vs
50 フォレトス めざ蟲/鈍い/撒き菱/眠る@薄荷の実

悪足掻きのダメージは意外と大きい

PP戦になるのはもちろんなのだが、PPの多さでは、撒き菱のお陰でフォレトスが勝つ。
問題は、カビゴンのPPが切れて悪足掻き状態になってからフォレトスカビゴンの悪足掻きを凌ぎつつ倒し切れるかどうかである。
悪足掻きは属性無しの物理攻撃で、相性の影響を受けないのだが、
PBSではカビゴンが悪足掻きを撃つとダメージが本来より1.5倍されているという実験結果が出ている。*2
よって、実質威力75相当の等倍物理攻撃、すなわち55ゴローニャの岩落とし*3フォレトスに打つのと同じダメージと考えて良い。
ダメージは30〜36で、フォレトスはこれを6発喰らうと超高確率で倒れてしまう。
すなわち、カビゴンが悪足掻きを連打する状態になったら、

フォレトスの行動 カビゴンの行動
眠る 悪足掻き
眠っている 悪足掻き
眠っている 悪足掻き
めざ蟲 悪足掻き
めざ蟲 悪足掻き
眠る 悪足掻き

これを繰り返すことになる。これを「ループA」とする。
お互いの急所を考慮せず、カビゴンの食べ残し回復と悪足掻きの反動を考慮すると、ループAを1セット行うにつき減らせるカビゴンの体力はおよそ33〜52。
カビゴンのHPは292なので、これを5〜6回程度繰り返さなければならない。*4
つまりカビゴンのPPが切れた時点で、フォレトスは眠るのPPをそれだけ残しておく必要があるということになる。
なお、ループAを5セット*5行うことによってフォレトスカビゴンを倒し切れる確率は、急所を考慮しない場合やや高確率程度である。ここまで詳細な計算は出来ないが、おおよそ7割ぐらいだと思われる。
また、6セット*6行える場合、かなり高確率でフォレトスが勝つことが出来る。
すなわち、フォレトスカビゴンのPPが切れるまでに眠るのPPを5回、出来れば6回残しておきたい。4回だと厳しい。

フォレトス側のPPの使い方

ここで、お互いのPPをおさらいする。

カビゴン 捨て身タックル24 地震16 鈍い16 眠る16
フォレトス めざ蟲24 撒き菱32 鈍い16 眠る16

上記の通り、ループAに入ってから連射する分のめざ蟲を残しておく必要があるため、それまでは他の技で凌ぎたい。
鈍いに対しては鈍いを合わせ、体力が危なくなったら眠るで回復し、残りのターンは撒き菱を無駄打ちすることで、めざ蟲を1度も打たずにカビゴンのPPを切らせることは可能である。
捨て身タックルの反動は食べ残し回復量より少ないため、反動でカビゴンに眠られてターンを稼がれる心配は無い。捨て身タックルが急所に当たると反動で眠られる可能性があるが、撒き菱のPPに余裕があるので問題無い。

眠るのPPの使い方1

問題になるのは、眠るをどれだけ消費するか。
フォレトスカビゴン地震でほぼ5発で倒れ、捨て身タックルで乱数5〜6発で倒れる。
捨て身タックル5発で倒れる確率は中乱数〜やや高確率程度と、かなり際どいのだが、
カビゴンは「捨て身タックル+捨て身タックル+捨て身タックル+地震地震」と打てば5発で倒すことが出来る。
つまり、フォレトスは「捨て身タックル×3+地震」と打たれたら結局最低でも4ターンに1回眠らざるを得ない。

フォレトスの行動 カビゴンの行動
眠る 捨て身タックル
眠っている 捨て身タックル
眠っている 捨て身タックル
撒き菱 地震(ここまでを「ループB」とする)
眠る 捨て身タックル
眠っている 捨て身タックル
眠っている 捨て身タックル
撒き菱 地震
眠る 捨て身タックル
眠っている 捨て身タックル
眠っている 捨て身タックル
撒き菱 地震
眠る 捨て身タックル

捨て身タックルと地震の合計PPは40なので、急所を考えなければループBを10セット繰り返すことになるため、
フォレトスは最低でもここで眠るを10回消費する。
これならば眠るのPPは残りは6回なので、カビゴンが悪足掻き状態に入ってから高確率でフォレトスが勝つ。
しかしループBでは全てHPがギリギリになってから眠っているので、眠る直前のターンに急所を引かれると当然フォレトスは事故死する。
10回中1回でも急所に当たる確率は、ほぼ限り無く5割に近い。
そのため、ループBのように常にギリギリになってから眠っていた場合フォレトスの勝率は約5割にしかならない。

眠るのPPの使い方2

ループAの所に書いたように、カビゴンのPPが切れた時にフォレトスの眠るが残り5回でもそこそこの高確率でフォレトスが勝てる算段なので、
フォレトスカビゴンのPPが切れる前にもう1回余分に眠るを使うことが出来る。
具体的には、10セットあるループBのうち、3セット分を、

フォレトスの行動 カビゴンの行動
眠る 捨て身タックル
眠っている 捨て身タックル
眠っている 捨て身タックル
眠る 地震(ここまでを「ループC」とする)
眠っている 捨て身タックル
眠っている 捨て身タックル
眠る 地震
眠っている 捨て身タックル
眠っている 捨て身タックル
眠る 地震
眠っている 捨て身タックル
眠っている 捨て身タックル
眠る 地震

このように、ループCの4セット分に換えれば、眠るを1回分多く使うことにより*7、急所事故のリスクを減らすことが出来る。
もちろん常にループCのような安全な立ち回りをしていると、今度は眠るのPPが最終的に足りなくなってしまうため、
フォレトスは眠るPP11回の消費のうち、3回だけはループCのように安全に眠っても*8良く、
残り8回はループBのようにギリギリまで体力を減らしてから眠る*9必要がある。
しかし、8回中1回も急所に当たらない確率は、約58%とあまり高くはなく、
これを成功させた上で更に、眠るが残り5回の状態でループAに入らなければならないため、
結局フォレトス側の勝率は約58%に「7割前後の確率」を掛け合わせたものとなり、結果的に5割を切ってしまうと思われる。

ループA内で急所が出るとどうなるか

カビゴンのPPが切れた後のことについて考える。
ここからはループAの繰り返しとなり、フォレトスは限られた眠るPPの中でカビゴンのダメージを蓄積させることが最重要なので、
安全に眠っている暇は無く、常に急所のリスクを抱えながらめざ蟲を撃つこととなる。
眠る直前のターンに悪足掻き急所を引かれたらフォレトスは事故死してしまうが、それ以外のターンで急所を引かれたら、

フォレトスの行動 カビゴンの行動
眠る 悪足掻き
眠っている 悪足掻き
眠っている 悪足掻き(急所)
めざ蟲 悪足掻き
眠る 悪足掻き

このように、そのループ内で打てるめざ蟲が1回分減るということになる。
これによって、カビゴンは「めざ蟲1発分−食べ残し回復1ターン分」の体力を得することが出来る。*10
一方、フォレトスのめざ蟲が急所に当たった場合、単純にほぼめざ蟲1発分のダメージが余分に加わることとなる。
これは42〜50ダメージとなり、ループAを1セットでカビゴンに与えられるダメージとほぼ一致する。
すなわち、めざ蟲が急所に当たった場合、フォレトスは眠るのPPが1回増えたようなもので、カビゴンの悪足掻き急所よりも恩恵が大きい。
ループAにおいてフォレトスのめざ蟲は2回、カビゴンの悪足掻きは5回と、カビゴン側の方が試行回数は稼げるが、それを踏まえた上でも、お互いの急所を考慮したらフォレトス側が若干得をするぐらいだと思われる。

PP切れ際のカビゴンの立ち回りの注意点

カビゴンはPPが切れるギリギリまで、ループBを1セット分行えるだけの攻撃技のPP*11を残しておくのがベスト。
これによって、フォレトスが眠った直後から悪足掻きを撃つことが出来る。

フォレトスの行動
(HP満タン)
カビゴンの行動
(HP満タン)
撒き菱
(数回繰り返し)
眠る
(数回繰り返し)
撒き菱 捨て身タックル
撒き菱 捨て身タックル
撒き菱 眠る
撒き菱 捨て身タックル
撒き菱 地震
眠る 悪足掻き

逆に、このようにせずに最後に眠る等を残してしまうと、フォレトスに「ぐうぐう眠っている」のターンを消費する隙を与えてしまい、結果的にめざ蟲を多く喰らうことになってしまうため、カビゴンは損をする。

タイマンの一番最初のフォレトスの立ち回りの注意点

フォレトスは、カビゴンの鈍いに対して鈍いを合わせると書いたが、「カビゴンが鈍いを積んで来なかったら鈍いを積まなくて良い」というわけではない。
例えば、

フォレトスの行動 カビゴンの行動
撒き菱 捨て身タックル
撒き菱 捨て身タックル
撒き菱 捨て身タックル
眠る 鈍い

こんなことになってしまった場合、フォレトスが地震カビゴンに後出しして受からなくなるのと同じ現象になってしまう。
タイマンに関しては撒き菱も無駄なので、フォレトスは1ターン目からいきなり鈍いを積むのが正解。
ただしこれはタイマンに限った話で、複数対決の場合はフォレトスだけ余分に鈍いを積んでしまうと、
最終的に鈍いを積んだカビゴンに対してフォレトスは鈍いのPPが足りず、鈍いを合わせられなくなってしまうという現象も起こり得る。*12

結論

このような型の場合、少なくともタイマンではフォレトスは5割程度でしかカビゴンに勝てないと思われる。
ただし後ろに少しでも殴れるポケモン*13が残っている場合、
フォレトスは眠るのPPが切れた後めざ蟲を連打しながら倒れ、カビゴンの残りHPはこちらの最後のポケモンでトドメを刺せるぐらい、という状況にほとんど持って行けるため、
カビゴンのPPが切れる前はパターンCを少し多めにして、眠るを贅沢に使うぐらいでも良いだろう。*14

道具の選択

この例のフォレトスは道具が薄荷の実であり、カビゴンとのタイマンに関しては何の役にも立っていない。
これを食べ残しに変更すると効果は絶大なのは言うまでも無いが、
元々かなり際どい勝率なので、その他にピントレンズや銀の粉、光の粉、王者の印、不思議な木の実といった低コストのアイテムを持たせるだけでも劇的に勝率が変わると思われる。
この中で汎用性もあるのは、ピントレンズや光の粉あたりだろうか。
なお、不思議な木の実を持たせる場合、眠るのPPを回復させないと意味が無いため、
眠るよりも先に鈍いを使い切ってはいけないという注意点がある。操作ミス対策のためにも、鈍いの残りPPが3程度になったら、あとは撒き菱の無駄打ちに切り替えるのが無難。

*1:実機では未確認。分かり次第情報追記します

*2:恐らくノーマル技として認識され、属性一致になっているが、相性の影響だけ受けていないと考えられる

*3:カビゴンと同じ攻撃力からの属性一致威力50技

*4:眠るが切れた後は最後倒れ際に一発余分にめざ蟲を撃つことが出来る。

*5:つまり眠るの残りPPが5の状態からスタート

*6:つまり眠るの残りPPが6の状態からスタート

*7:この間にカビゴンが消費する攻撃技のPPは、同じ13回である。

*8:=3ターンに1回眠る

*9:=4ターンに1回眠る

*10:悪足掻きの反動ダメージに関しては、1回分急所、1回分無しとなるためチャラである。

*11:すなわち捨て身タックル3回+地震1回など

*12:最近は滅多に無いが、昔は「鈍い削り」等という名称も付けられていた。

*13:サンダー、スイクン

*14:流石に眠るの残りPPが2などというのは少し危険。

*15:今回の検証はstoicさんに協力して頂きました。ありがとうございます。