大会のターン切れ際の行動

ジムリーダーの城で行われる大会は、基本的に80ターン制限が付いている。
普段のニンテンドウカップ2000ルールに加え、以下のルールが追加されるのである。

80ターン目が終了した状態で
・残りポケモンの数が多い方が勝利
・残りポケモンの数が同じ場合、残っているポケモンの残りHPの割合の合計が多い方が勝利*1
・それでも同じ場合は、ランダムで勝者が決まる*2

これによって、ターン制限の無い普段の試合と、ほんの少し事情が変わって来る。

当然これは状況によりけりだが、撒き菱の無い状態で自分は残りHP10程度のエアームド+控えに55ライコウで、相手は51ライコウ1匹のみ、というような状況の場合、
エアームドを捨てずに取っておけば、ライコウ同士で泥仕合にもつれ込んだ末、80ターンを迎えて枚数差で判定勝ちすることが出来る。

ミルタンクのような影分身+丸くなる+転がるコンボを使うポケモンは、
その性質上1枚残しで使うことが多く、その上相手を倒し切るまでにある程度ターン数がかかる。
ターンが無制限なら、相手が3匹残っていようが牛蒡抜き出来ることも多いが、それまでに80ターン粘られてしまうと枚数差で負けてしまう。
特に単体の守るに対しては、ターン制限が無ければいずれ守るのPPを切らして転がるで突破することが出来るが、80ターン制限なら時間稼ぎとして大きな対策となり得る。
また、カウンター持ちのポケモンは、タイマンになった場合、主に丸くなるの大量のPPによってターンを稼がれ、カウンターのPPを切らされた上で転がられると負けてしまうが、合計PPが80程度あればその心配が無くなる。
ただしこの場合、転がる側は最後のターンに転がってしまうとカウンターで返され、残りHPの割合によって判定負けしてしまうため、無駄技を打って来る可能性がある。
その場合、当然お互いHP満タンの状態で試合終了となるため、DRAWとなってしまう。
しかし、カウンター側は「相手が転がって来ない」ことを読んで、最後のターンに一か八か攻撃技を打ち、それが運良く命中すれば、転がる側だけにダメージが入るため判定勝ちすることが出来る。
更に転がる側はそれを読んで、「相手がカウンターして来ない」ということで最後のターンに転がるを打つ…と言った、軽い読みが生じることになる。
カウンター側は、DRAWになって再試合しても良いのなら最後のターンはカウンターが安定し、
再試合すると勝てる自信が無い場合は一か八か攻撃技を打つ、という若干の選択の余地があるのに対し、転がる側は強制的に読みに巻き込まれているという点に注意したい。

これらは、80ターンという制限があること自体に関する注意点だが、
その他に「ターンの切れ際*3」の行動に関する注意点もいくつかある。
以下は基本的に、自分と相手の残り枚数が同じ状態で80ターン目を迎えることを想定する。

  • 最後のターンに後攻で回復する

自分が後攻の場合、80ターン目に眠るや自己再生などで回復してHPを満タンにすれば、少なくとも「負け」を無くすことが出来る。
相手がダメージを負っていたら勝ちとなるが、当然相手も最後のターンに同じように回復した場合、DRAWとなってしまう。

  • 最後のターンに後攻で攻撃する

1ターンに与えられるダメージ率が、相手より自分の方が大きい場合に有効な手段。
単純に、79ターン目が終了した時点で両者のHPが満タンだった場合、最後のターンで殴り合えば当然大きいダメージ率を与えた方が判定勝ちとなる。
ここで重要なのは、後攻ならば先攻の相手が回復技を使った場合でもその後に攻撃出来るため、確実に相手にダメージを残した状態で80ターン目を終了出来るという点。

  • 砂嵐、先攻のどくどく

これらも、相手の回復技に関係無く、ターン終了時に確実にダメージを残した状態で終了することが出来る。
特に、自分は砂嵐が無効で、相手だけ砂嵐ダメージを受けるポケモンという場合、砂嵐はかなり強力な技となる。
砂嵐ダメージは4ターン続くため、77ターン目に使用するのが効率が良い。
先攻でのどくどくも、相手に回復させず確実にダメージを与えられるが、そうは言っても1/16ダメージしか与えられないため、よほど他に有効打が無い場合ぐらいか。
例えば、あまり無いとは思うがLv.50どくどく甘える眠る寝言ブラッキーとLv.51の同じ型のブラッキーのタイマンとなった場合、
甘えるや寝言を連打して相手を眠らせないようにして、80ターン目にどくどくを打てば、先制出来るLv.51ブラッキーが判定勝ち出来る。
しかしこれは、80ターン目開始時にLv.51ブラッキー側の体力が満タンであり、かつ健康な状態である前提。
後攻のポケモンにとっては逆に、79ターン目にどくどくを打つという手がある。

  • 眠るタイミング

上記の「80ターン目開始時に体力が満タンで、かつ健康な状態」を作るのは、実際には難しい。型によっては不可能である。
しかし例えば、仮に上記のようなブラッキーのタイマンならば、Lv.51ブラッキーは77ターン目に眠るを選択することによって、確実にその状況を作ることが出来る。
78〜79ターン目にぐうぐう眠っており、最後の80ターン目に先制で目を覚ました上でどくどくを打てば、自分はそれまで毒を喰らうこと無く、相手だけを毒状態にすることが可能。
攻撃手段が毒だけなら、眠るタイミングは4ターン程度までならズラすことが出来るため、「77ターン目に眠るを選択出来る状態を作る」ことは簡単に出来る。

  • 攻撃する隙をなるべく与えない

4ターンで倒せる技ならば急所待ちが出来るが、5〜6発かかる場合でも、通常のPP戦と違って、攻撃を積極的に打てば相手をほぼ寝っぱなしにすることが出来る。
これで例えば、78ターン目に相手が眠るを使わざるを得ない状況に持ち込めば、
自分がある程度ダメージを喰らっていても、79〜80ターン目に2発攻撃を加え、相手は寝たままで反撃出来ずに80ターン目を終了させることが出来る。
攻撃を受ける側からすれば、このような事態にならないために、77ターン目に眠っておく等の立ち回りが必要とされる。

*1:例:残りHP1割のポケモン+満タンのポケモンvs残りHP7割のポケモン×2の場合、後者が判定勝ちとなる。

*2:しかしこれでは不公平なので、こうなった場合再試合を行うという大会も多い。

*3:80ターン目が近づいて来た時