フルアタ・セミフルまとめ 〜前篇〜

今回は、攻撃範囲を重視したフルアタやセミフル型のポケモンについて、少しまとめてみようと思う。

  • 得意とする相手の傾向

基本的に弱点を突いたもの勝ちなので、「耐性も優秀だが弱点も顕著」というポケモンは得意。
ポケモンや、ナッシー、ヘラクロスパルシェン、ファイヤー、イノムーサイドンバンギラス等が代表例。
後で挙げる広範囲型のポケモンは、このようなポケモンを一気に牛蒡抜き出来るものが多い。

  • 苦手とする相手の傾向

攻撃範囲を広げていると、ひとつの技の火力を伸ばすことが出来なくなるため、
上記とは逆に弱点が少なく、耐久の高いポケモンを苦手とする場合が多い。
カビゴンスイクンライコウ、サンダー等。
また素早く自己再生で回復して来るスターミーやフーディンも苦手という場合が多い。
更には、広範囲型のポケモンは先制で的確に弱点を突くことが求められるため素早さが重要な場合が多いが、
ケンタロスほどは速くない場合が多く、先述の通りひとつの技の火力は高くないため、
破壊の遺伝子ケンタロスに上から丸めこまれやすいというのも弱点のひとつ。

さて、上記でカビゴンという名前を挙げたが、これは技によって克服出来る場合も少なくない。
常套手段として、爆裂パンチを持たせるというのがある。
もちろんこれだけでは鈍いを積んで来るカビゴンに対して安定するわけではないが、カビゴンを複数回流せるサポメンを控えさせておけば、
カビゴンと対面して上から爆裂パンチでチャンスを見出す機会を複数回作り出すことが出来る。
特に、メイン技の蓄積で1/3程度のダメージを与えておいてからの爆裂パンチは命中すればもう次の攻撃でトドメを刺せることができ、
外れても眠られるだけでリスクは無い、というケースが多いため、非常に効率の良い爆裂パンチの使い方である。
逆に健康であろうが寝ていようが、HPが満タンの状態のカビゴンに爆裂パンチを打つのは非効率的。*1

フルアタの場合は爆裂パンチが関の山だが、セミフルの場合はもっとカビゴンに強くすることが出来る。
1個の補助技の枠があるだけで、案外色々なことが出来る。
鈍い、剣の舞、嫌な音、日本晴れ等で火力を伸ばしたり、砂嵐で常に定ダメージを加算させたり、
催眠術、電磁波、アンコール等で行動を抑制したり、等。
このような補助技を1個入れるだけで、カビゴンは格段に突破しやすくなる。
言わずもがなカビゴンというのは対策必須なポケモンであるため、セミフル型のポケモンにはこのような補助技が求められる。

  • 持たせる道具

耐久が高くないポケモンについては、ハッキリ言って奇跡の実ほぼ一択というのが筆者の考え。
カビゴンののしかかりもナッシーやフシギバナの眠り粉も色んなポケモンの電磁波も全部カットしたいからである。
速度が肝心となる場合が多いため、特に麻痺に関しては、喰らった瞬間終了というパターンも少なくない。
また、広範囲で的確に弱点を突くという性質上、奇跡の実で1ターンだけでも猶予がもらえればそれで良いというシーンが非常に多いからというのも大きい。
耐久がある程度高めであったり、特定のキャラに対して何度も後出し出来るようなポケモンならば、食べ残しが強い。
広範囲型のポケモンは、それだけ対面で有利を取れる相手が多く、強制交換力が強いため、食べ残しがあると格段に場持ちしやすくなるからである。


それでは以下、代表的なフルアタ・セミフルのポケモンを少し紹介する。
レベルは一部50で使えるものもあるがほとんどが55なので省略する。

  • 爆裂パンチ無しフルアタ型

単純に弱点を突いて特定の組み合わせを倒すことを目的とする場合が多い。爆裂パンチが無いため基本的にカビゴンは相手にしない。
基本的にはカビゴンも含めて相手にしたいため、このようなケースはあまり多くはない。

ニドキング 地震/大文字/雷/冷凍ビーム@磁石

筆者が過去に公開したガラガラニドキングWAで使っている型。
属性一致のメイン技が地震であるため、上記の広範囲型が苦手とするポケモンのうち、ライコウに有利を取れるというのが利点。
なお、現在の環境でこのパーティを使うとしたら、薄荷の実をフシギバナ対策としてドーブルに持たせ、
ニドキングは50スイクンを高確率2発で倒せるようになる磁石+雷にするのが筆者のオススメである。
これによってライコウに加え、スイクンの突破もしやすくなるというのが広範囲型としてはセールスポイントとなる。

カイリキー クロスチョップ/岩雪崩/めざ霊/大文字@何か

これは例外的であり、クロスチョップがメインであるためカビゴンで止まるどころかカモに出来るというのが最大の長所。
フルアタでこのようなポケモンは非常にレアである。
サブ技のチョイスはほんの一例で、他に地震、めざ蟲、めざ飛と言った選択肢がある。
広範囲型としては、目覚めるパワーによってフーディンやスターミーの突破がしやすいのがセールスポイント。
逆に素早さが高くないため、爆破などで丸め込まれやすいという弱点がある。

  • 爆裂パンチありフルアタ型

フルアタの基本。上記のカイリキーのような特別な存在でない限り、爆裂パンチは持たせて損の無い技と思って良いだろう。

バンギラス 岩雪崩/地震/冷凍ビームor大文字/爆裂パンチ@食べ残しor奇跡の実

最近最も勢いのあるフルアタのポケモンと言ったらこれだろう。
攻撃力・特攻が高いのでどの技を持たせても弱点を突けばほぼ確実に2発というほどの火力を出せる。
地震の有効範囲は狭いが、バンギラスは命中率100%の技が少ないため、カビゴン等に確実にダメージを与える際など、意外と実戦していて使う場面は多いというのが筆者の感想。
岩雪崩でサンダーをゴッソリ削れるのがなかなか他の広範囲型ポケモンには出来ないメリット。
また、ノーマル耐性を持っているため、カビゴンに対して爆裂パンチが外れても試行回数を稼ぎやすいという長所もある。
スイクンで止まってしまうのは有名。

カイリュー 捨て身タックル/冷凍ビーム/雷/爆裂パンチ@奇跡の実

バンギラスと違って高威力の特殊技を覚え、特攻も少し高いため、それだけ倒せるポケモンが増える。
特に雷では50スイクンに先制して2発だったり、52パルシェンを一撃で倒せたりするのは大きい。
捨て身タックルはバンギラス地震のような役目で、これと言って誰狙いというようなものは無いのだが、
カビゴンライコウ、格闘、フーディンブラッキー、炎、水へのトドメ、イノムー、ヌオー、ベトベトン等々必要になって来る場面はかなり多い。
めざ氷持ちのライコウにかなり弱い他、物理技がノーマル+格闘なので地味にゲンガーなんかにかなり弱い。


長くなるため、以下は後篇に回す。

  • 爆裂パンチ無しセミフル型

エレブー、ブーバー、こらきしヘラクロス

  • 爆裂パンチありセミフル型

バクフーン、鈍いベトベトン

  • 超火力型

ケンタロス、ガラガラ、リザードン

  • 爆破型

ゲンガー、カビゴン

*1:もちろんこちらがもうカビゴンの攻撃を1発も喰らう猶予が無いというような場合なら爆裂パンチに賭けるのが最善だろう