フルアタ・セミフルまとめ 〜後篇〜

前回の記事の続きです。

  • 爆裂パンチ無しセミフル型

前回述べた爆裂パンチ無し"フルアタ"型との最大の違いは、補助技を1個持っているという点で、
それによって爆裂パンチを持たずして充分にカビゴンの突破を見込めるというケースがある。

カブトプス ハイドロポンプ/めざ岩/捨て身タックルor地獄車/剣の舞@奇跡の実

例えばこのような型。攻撃力の高いポケモンによる剣の舞からの物理技によって、カビゴンを含む多くのポケモンを倒すことが出来る。
カブトプスは自身も属性的に得手不得手がハッキリしているので、特定の得意なポケモンを起点にして全抜きを狙うスタイル。
自身より素早く弱点を突いて来るライコウ等が苦手となるが、サンダーにはめざ岩で致命傷を与えられる。

カイロス 捨て身タックル/地獄車/めざ岩/剣の舞@奇跡の実

これもやはり剣の舞からの高火力物理攻撃が特徴。カブトプスと違って物理技一筋だが、それで充分なぐらいの突破力を持っている。*1

エレブー 10万ボルトor雷/冷凍パンチ/クロスチョップ/ヨガのポーズor眠る@奇跡の実

クロスチョップを覚えるため、爆裂パンチに頼らなくても良い、というパターン。
メイン技が電気であるため、スイクンやスターミーの突破に全く困らないというのが特筆すべき長所。
逆にライコウフーディンで止まってしまうことは多い。
補助技の枠は、筆者は個人的にバンギラスを一撃で倒しやすくなったり55カビゴンを2発で倒しやすくなるヨガのポーズを推奨する。

ブーバー 大文字/雷パンチ/クロスチョップ/怪しい光@奇跡の実

同上。スイクンの突破は、怪しい光を絡めればそれなりにチャンスはある、というレベル。
以降炎ポケモン全般に言えることだが、メイン技の大文字の火力があるため、サンダー程度なら普通にメイン技のゴリ押しで突破が狙える。
この辺りは以前書いた現環境における炎ポケモンの記事も参照されたい。

エンテイ 大文字/ソーラービーム/めざ格/日本晴れ@奇跡の実or食べ残し

同じ炎ポケモンでも攻撃範囲が違うタイプ。日本晴れ+大文字の火力は他の炎ポケモンほど高くなく、
格闘技も目覚めるパワーであるため、カビゴンの突破は難しいと思った方が良い。
逆にソーラービームが打てるため、水ポケモンの突破は難しくない。
耐久が高いので持ち物は食べ残しでも良いと思われる。

ゴルダック ハイドロポンプ/冷凍ビーム/クロスチョップ/催眠術@奇跡の実

水技がメインのポケモンは、苦手な草や電気への突破手段を優先するため、同属性である水で止まるという事態に特に陥りやすい。
これはその代表例である。
ハイドロポンプの火力が高いため、電気等はメイン技でゴリ押し出来なくもない。

ヘラクロス メガホーン/地震orめざ格/起死回生/堪える@黒帯or奇跡の実or気合の鉢巻

こらきし型。巧く立ち回るのは難しいが成功すればカビゴンを100%一撃で倒せる貴重な存在となる。
鈍いを積んで来る場合への対処法が無いため、サポメンで流す必要が出て来る。

スターミー ハイドロポンプ/冷凍ビーム/雷/自己再生@奇跡の実

このようにカビゴンを全く意識しない型も存在する。選出によってはかなり刺さり、
カビゴンハピナスが来ないと踏んだ場合は全抜き出来る可能性がある。
スターミーの場合特に、自己再生で回復しながら戦えるため硬さもあって場持ちしやすい。

カビゴン 捨て身タックル/地震/電磁砲or大文字/眠る@食べ残し

この中では異質な例。眠る+食べ残しによって、本来の幅広い受け役割を全うしつつ、
広範囲の攻撃技でじっくりと崩しを狙うというスタイル。
例外的に耐久が非常に重要となるため眠るが必須だが、
他のセミフル型のポケモンは基本的に4つ目の技として眠るを持たせても有効に働きにくいことが多いため、筆者としてはあまりオススメしない。
というのは、広範囲型のポケモンは受けを少なくするために範囲を広げるのであって、
その全抜き性能が重要となり、万が一止められてしまったらもはや駒としての役割を失うこともザラにある。
上記のスターミーやカビゴンが回復技を持つのを許されるのは、受け役割を持てるため、アタッカーとしての役割を失ってもまだ使い所があるからである。
アタッカーとしての役割が全てであるようなポケモンならば、眠るを持たせる枠があるなら何か攻撃技や崩しの布石となる補助技を追加することで、突破出来る範囲を増やす方が大事だというのが筆者の考えである。

  • 爆裂パンチありセミフル型

これが最も種類が多い、かつ汎用性が高いのではないかと筆者は思っている。
爆裂パンチと補助技の2方向からカビゴンを攻められるのが美味しい。

バクフーン 大文字/雷パンチ/爆裂パンチ/日本晴れ@奇跡の実

以前紹介した型。大文字の火力の他、日本晴れも相まってサンダーの突破はしやすい。
ブーバーと同じ攻撃範囲だが、爆裂パンチとクロスチョップの違いがある。
この2つの技の比較については、「攻撃力が足りているキャラはクロスチョップ、足りていないキャラは爆裂パンチが強い」というのが筆者と当ブログのundead_princessの共通見解である。
一昔前では基本的にはクロスチョップの方が強いというのが一般論だった気がしないでもないが、
バクフーンの場合攻撃種族値は84とそこまで高くないため、寧ろ爆裂パンチの混乱を絡めてこそ強いというのが、筆者自身、実戦を通して感じた。
これが、基本的に攻撃力が充分に足りていない多くのポケモンが、爆裂パンチによって救われる所以のひとつであるという気がする。

オーダイル ハイドロポンプ/地震/爆裂パンチ/嫌な音@食べ残しor奇跡の実

ポケモンでも剣の舞や嫌な音と言った技があれば豹変する。スイクンを完全に起点に出来るようになるのである。*2
その後の物理技が爆裂パンチだけだと使いづらいが、地震があれば安定した物理技として使える他、ライコウやゲンガーに有効なのも美味しい。
この型だとサンダーの他、広範囲型にしては珍しくナッシーに弱いという弱点もある。
弱点が少なく、能力的に耐久も高いので食べ残しがマッチしている。

ベトベトン ヘドロ爆弾/大文字/爆裂パンチ/鈍い@食べ残し

広範囲型の中では珍しく、優秀な特殊耐久と弱点の少なさを活かして鈍いを積みつつ決定力を出すタイプ。*3
その能力と、ヘドロ爆弾という少し変わった範囲のメイン技によってスイクンライコウと言ったポケモンに強いのが特異的。
逆に地面やゲンガーといった変わった弱点を持つ。

  • 超火力型

ここまでに挙げたポケモンはどれも、適切な技タイプの選択によって弱点を突いて行くのが主な戦い方だが、
圧倒的破壊力の攻撃技を持つことで、属性に左右されず多くの敵に致命傷を与えられるという利点がある。
反面、基本的に耐久は低く、これまでに挙げた広範囲型のポケモン以上に出し所はシビアとなって来る。
そのため、前回の記事の初めに挙げたスイクンライコウ等には必ずしも弱くはなく、逆に属性的に苦手なポケモンに対し、素直に弱いという面が強い。

ケンタロス 捨て身タックル/地震/大文字/破壊光線@破壊の遺伝子

2発などではなく、「如何に相手を一撃で倒すか」という別次元に住んでいる。
広範囲型としては最速とも言えるポケモンで、それだけ上からあらゆるポケモンを叩き潰すことが出来る。
出した瞬間が最も強いという、他のポケモンとは違った性質を持ち、瞬発力があるのが最大の長所だが、
逆に「それ以上絶対に火力が伸びない」というのが短所で、リフレクターで初めの数ターン粘られるのが非常に苦手。
また、奇跡の実を持てないので状態異常に非常に弱いという弱点も持つ。

ガラガラ 地震/岩雪崩/めざ蟲or大文字/剣の舞@太いホネ

素の火力も充分だが、剣の舞を1回使うことによって技の打ち分けでほとんどの相手を一撃で倒すに至る。
ケンタロスと同じく状態異常に弱い他、遅いというのが最大の弱点で、他の広範囲型と比べて爆発力には欠ける。
その代わり火力は最強であるため、麻痺サポートや高速移動+バトンタッチによって化ける。
Lv.50でも充分な火力であるというのも異端的であり、低コストで使えるのが何よりのメリット。

リザードン 大文字/地震/岩雪崩or破壊光線/腹太鼓@奇跡の実or食べ残し

腹太鼓によって超火力を得るタイプ。地震はあくまで物理攻撃手段であり、地面という技タイプがそこまで重要な意味を成しているわけではない。*4
腹太鼓の都合上、HPの管理が非常に大切になって来る。道具の自由度はあるため、状態異常にはさほど弱くない。
これまでに挙げた他の炎ポケモンと同様、素早さも、属性一致大文字の火力もあるため、腹太鼓に拘らずとも柔軟性は高い。

ニョロトノ ハイドロポンプ/捨て身タックル/地獄車/腹太鼓@食べ残しor奇跡の実

リザードンと同じく腹太鼓からの超火力が中心でありつつ、属性一致ハイドロポンプと高めの特殊耐久によって立ち回れる。
あまり開拓されていないが、腹太鼓+地獄車で55カビゴン・50パルシェンを確1であり、
ハイドロポンプで50エアームドや50ムウマを確2であるため、
バンギラスパーティやカビゴンパーティを攻略出来る可能性がある。*5

  • 爆発ありフルアタ型

自爆・大爆発を含むフルアタ。攻撃範囲を広げることで、受けられる相手を限定し、
特定の相手に爆破を当てやすくするというのが主な狙い。
自らが最終的には散る役ということで、これまでに挙げた広範囲型とは一線を画している。

ゲンガー 10万ボルトor雷/冷凍パンチ/爆裂パンチ/大爆発or炎のパンチ@何か

属性一致技こそ無いものの、高い特攻から不一致でも満足な特殊火力を出すことが出来る。
電気+氷という特殊のオーソドックスな組み合わせに、カビゴンハピナスバンギラス等に有効な爆裂パンチを付随させた攻撃範囲はかなり広い。
素早さも非常に高く、狙った相手に爆破を当てる性能はなかなか高い。
大爆発に拘らずとも普通にエースで広範囲型ポケモンとして使っても強いぐらいなので、
代わりに炎のパンチでハガネールヘラクロスに強くするのもアリなぐらいである。
広範囲型としてはスイクンの突破が比較的楽であり、反面ライコウフーディンには滅法弱い。
逆に言えば、それらのポケモンに大爆発を当てやすいと言える。
のしかかりもどくどくも喰らわないため状態異常に強く、持ち物に比較的自由度があるが、
55サンダーの威張るや50スターミーの電磁波などカット出来ると強いものもあるため、奇跡の実も強い。

ベトベトン ヘドロ爆弾/大文字/爆裂パンチ/大爆発@黄金の実or食べ残し

既述のセミフルベトベトンの鈍いが大爆発に変わった型である。
これは特殊ポケモンが多く揃った場合になかなか止めにくい。岩に弱いという点に注意が必要。

カビゴン のしかかり/地震/大文字/自爆@食べ残し

突破力も耐久も汎用性もある、非常に優れた型。これに関してはLv.50専用と言って良い。
スイクンほどの硬さを持ったポケモンを寝言で使う等しないと完全に受け切ることすら難しい。


なお、爆発ありの"セミフル"型に関しては、通常の攻撃技を2本持っているだけであり、あまり「広範囲」とは言い難いのでここでは紹介しない。

最後に何かまとめたかったが、前回の記事の一番初めに先にまとめてしまったため、
歯切れが悪いがここで終了とする。

*1:剣の舞1回の地獄車orめざ岩で50エアームドを確3、剣の舞2回だと確2である

*2:上記のゴルダックも、催眠術を嫌な音に変更すれば全く性質が変わる。

*3:上記のセミフルカビゴンと少し似ている。

*4:とは言え、他の選択肢を考えても対岩などで最も優秀となるのは地震である。

*5:117さんが発掘して下さいました。