1.2倍の法則

GBA等、後の世代のポケモンに精通している人に「1.2倍の法則」というものを教わった。*1
金銀勢で知っている人も居るかも知れないが、筆者の感覚だと金銀ではあまり浸透していない概念に思えたので、紹介程度に。

ダメージ計算の中で、「約1.2倍」という数字が実は非常によく出て来るので覚えておくと便利、という話である。

  • ダメージの乱数幅

金銀ではダメージ計算の中でダメージ最大値が決まってから、n/255(n=217〜255の乱数)をかけるという仕組みだが、
最小値である217/255と最大値である255/255の比が、255/217≒1.18となる。
すなわち、最大ダメージは最小ダメージの「約1.2倍」となる。

  • Lv.50とLv.55の耐久差

ダメージ計算上、耐久の高さはHPと防御の両方にほぼ比例すると言って良い。
また、Lv.55のポケモンのHP・防御は、Lv.50の約1.1倍である。
よってLv.55のポケモンの耐久力は、Lv.50と比べてHP・防御がそれぞれ約1.1倍されるため、約1.1の2乗=「約1.2倍」となる。
これを上記の乱数幅の話と組み合わせると、例えばLv.50ではある攻撃で「ぴったり3発で倒さる」ようなポケモンが、
Lv.55に上げると「ぴったり3発耐える」というようなことが分かる。

  • Lv.50とLv.55の火力差

上記と同様、攻撃力もLv.55だとLv.50の約1.1倍、そしてダメージ計算上のレベルに関する項も約1.1倍になるため、
火力に関しても同じようにLv.55はLv.50の約1.1の2乗=「約1.2倍」となる。
上記の逆で、Lv.50だとぴったり3発耐えられてしまうような相手に対して、
こちらのレベルをLv.55に上げればぴったり3発で倒せるようになる。

  • 1/8定数ダメージの有無

撒き菱、猛毒、宿木などの定数ダメージは最大HPの1/8を削る、即ち相手の耐久を7/8倍にする。
逆に言えば攻撃側の火力が8/7≒1.14倍、やや遠いがこれも「約1.2倍」となる。
これが実戦で大きな意味を成すのは、相手がこちらの攻撃を「ぴったりn発耐える」という場合で、
これに対し撒き菱を1回踏ませれば「ぴったりn発で倒せる」ということになる。
逆に、体力の1/16を回復する食べ残しは2回分で1/8になるため、
「ぴったり3発で倒される」というポケモンに食べ残しを持たせると、1/8分回復することになるため、「ぴったり3発耐える」ということになる。
(例:55ライコウの10万ボルト⇒55サンダー)

  • 威力100と120の差

非常に高度な計算を要するが、実は120というのは、100の1.2倍である。これに気付いた人は相当数学が強いのではないだろうか。
電磁砲の最高乱数と雷の最低乱数はほぼ同じ。

  • 威力85と102の差

恩返しの威力102という数字は、のしかかりの威力85のちょうど1.2倍という、まるで奇跡のような現象である。
これものしかかりの最高乱数は恩返しの最低乱数とほぼ同じだったり、
のしかかりでぴったりn発耐えられるポケモンは、恩返しでぴったりn発で倒せる、等が言える。

  • 威力75と90の差

以下省略

*1:stoicさんとしゃわさんにお話を伺いました。ありがとうございました。