現代環境における崩し方のアプローチと55カビゴンの特異性について

以前の記事で、パーティ全般の動向としてエースの頭数が増え、逆にLv.50のサポートとして使えるポケモンは種類が減って来ているということを述べた。
その後55カビゴン復権したりと、環境も動いてはいるがこの傾向は今でも根強く続いている。

Lv.50のポケモンが固定化されて来たということは、それらに軒並み刺さるようなポケモンが相対的に強くなるのは言うまでもない。
今は「いかに自分の55で相手の50を起点にし、いかに相手の55を自分の50で止めるか」
というのが非常に大事になっている*1と筆者は思っている。
それゆえ、50のポケモンに止められやすいようなエースは相対的に価値が下がっている。サンダーやガラガラが最たる例だろう。
逆に50のポケモンを起点にして全抜きを図れるバンギラスや炎ポケモンの株が上がっている。
最近筆者が広範囲型のエースを推しているのは自分の趣味もあるが、一方でこのような環境に非常に有効という考えもある。
50で使われるポケモンは弱点が顕著なものが多く、的確に弱点を突けばあっさり倒せることが多いため、広範囲型のポケモンの起点にしやすい。

ここで重要なのは、50で使われるポケモンは爆発して来ることが多いという点。
これで相打ちされていては、「起点にした」とは言えない。
つまり、50を完全に起点にする55エースには「爆発して来るポケモンを一撃かそれに近いほどのダメージを与えられる」もしくは「爆発を耐えることが出来る」という条件が求められる。
ここまで出来るポケモンはそう多くはない。
前者の好例が炎ポケモンで、パルシェンハガネール、ナッシーを一撃かそれに近いダメージを与えることが出来る。
更には爆破ポケモン以外にも、フシギバナエアームドヘラクロスムウマなど起点に出来る50サポートポケモンは非常に多い。
こらきしヘラクロスなんかもこの条件を満たすことが出来る。
後者の最たる例はバンギラスだろう。パルシェン、ナッシー、マルマイン等の大爆発を物ともせず、枚数差を付けることが出来る。
それによって相手の55に対して、こちらの50を2枚使って相手することが可能になる。
他に爆発に強いポケモンとしては、ゲンガー、ガルーラ、ミルタンク、最近ではリフレクターライコウあたりも挙がる。

ただし、ここまで書いた「50のポケモンを起点にする」という概念自体が通用しない構造がある。それが55カビゴン+50スターミーである。
スターミーは他によく使われる50のポケモンと違って、広範囲型のポケモンの起点にされにくい。タイマンで勝てることもザラにある。
これは即ちカビゴン側からすれば「相手の55を自分の50で止める」ことが出来ているのである。
また、スターミー自身は殴り合いの末負けるとしても、ほとんどの場合2ターンぐらいは動けるため、奇跡の実を持っている相手に対しても電磁波を入れることを非常にしやすい。
全抜きを狙う55エースが麻痺など喰らおうものなら、後続のカビゴンの餌食となることは想像に容易い。
更にはリフレクターもある場合、55カビゴンが爆発にかなり強くなるため、55カビゴンが「50を起点に出来る55エース」に化けることも珍しいことではない。
以上から、55カビゴン+50スターミーに対してここまでに書いたようなアプローチで崩しを狙うのは困難である。
筆者はこれこそがこの組み合わせの最大の強みであると思っている。

ここで別アプローチでの崩しが必要になるのだが、ここで有効なのが「スターミーを50ポケモンで起点にし、55カビゴンに勝てる55ポケモンを後ろに控えさせておく」という戦術である。
これはまさにstoicさんによるこちらの記事における50鈍い自爆カビゴンである。*2

これらを融合したようなパーティはかなり強いのではないかと思っている。
つまり初めに書いた「50を起点に出来る55エース」と、「50鈍い自爆カビゴン」+「55カビゴンに勝てる55エース」のような組み合わせを混在させたパーティである。
最近で有名なのがポニョゲンガーだろう。

*1:55同士の相性はそこまで勝敗に大きく影響しない

*2:これについてはリンク先の記事で非常に詳細かつ分かりやすく解説されているため省略する。