サンドウィッチ理論
大昔からある概念だが筆者が知るところでは資料が残っておらず、
また筆者自身も最近になって知った概念をひとつ紹介。
2匹のポケモンに対して1匹でガン受けをしようとする際、
1匹ずつに対してなら受けを遂行出来るのに2匹同時に対しては出来なくなるという現象がある。
大爆発や宿木のタネ等による間接役割破壊は当然だが、そうでなく2匹とも単なる攻撃技しか持っていない場合でも、そのような現象が発生することがある。
例えばLv.51イノムーで、50サンダーと50ヌオーを同時にガン受けする場合。
イノムーは素眠りとし、サンダーはイノムーに対する有効打が目覚めるパワー氷、ヌオーは波乗りを持っていない冷凍ビーム型で、イノムーに対する有効打は地震のみとする。*1
イノムーはサンダーの目覚めるパワー氷を確定で4発耐えるため、後手でも急所が無い限りガン受けが出来る。
また、ヌオーの地震も確定で3発耐え、こちらには先制出来るためやはりガン受けが成立する。
つまり、それぞれに対しては急所が来ない限り眠るで受け続けることが出来る。
しかし、サンダーとヌオーが2匹束になってかかって来るとそうは問屋が卸さない。
サンダー+ヌオー側は、残りがイノムーに強い*255スターミーと仮定する。
イノムー側の行動 | 相手側の行動 | ダメージ |
眠る |
ヌオーの地震 |
58〜69 |
ぐうぐう |
ヌオーの地震 |
58〜69 |
ぐうぐう |
スターミーにチェンジ |
ここでイノムーはスターミー受けに交代を余儀なくされる。
ここで受けサイクルが一巡し、次に相手側がサンダーを出して来て、それをイノムーで受けるとすると、
イノムーにチェンジ |
サンダーのめざ氷 |
41〜49 |
??? |
サンダーのめざ氷 |
41〜49 |
このようなやり取りになるはずである。ここでイノムーは、眠っている間にヌオーの地震2発分+サンダーのめざ氷2発分を喰らうことになる。
イノムーのHPは210であり、これを計算すると実は急所が無いと仮定しても「???」のターンに89.82%の確率で乱数で倒れてしまうのだ。
ここで重要なのは、サンダーはイノムーより速く、ヌオーはイノムーより遅いという点。
眠るによって自分より速いポケモンを受け続ける場合は相手の攻撃を4発耐えれば良く、自分より遅いポケモンを受け続ける場合は3発耐えれば良い。
つまり自分より遅いポケモンを受ける時の方が、多くダメージを喰らっても良い。
実際にこの例でも、サンダーの目覚めるパワー氷よりもヌオーの地震の方がダメージが大きい。
しかしこのケースの場合、実際にイノムーが喰らう攻撃は4発。これは最終的にイノムーの前に居るポケモンが、イノムーより速いサンダーだからだ。
イノムーはサンダーの攻撃4発分なら耐えるが、このケースではその4発分のうち2発分がヌオーの地震に化けている。
すなわちサンダーの目覚めるパワー4発分よりも、受けるダメージが大きいのである。
その結果、単体では生じえないダメージをイノムーが負うことになり、結果乱数で倒れてしまうという現象が起きている。
このような理論を、素早さを上と下で挟み込んで崩すことから転じて「サンドウィッチ理論」等と呼ぶらしい。
今回はまず滅多にあり得ないような例だったが、例えば「55カビゴン+素早いポケモン」の2匹を、エアームドやフォレトスで1枚でガン受けしようとする際*3にこのような現象が発生する可能性があるため、ガン受けを狙う際には注意しておきたい概念である。