現環境における炎ポケモン

以前の記事でチラッとバクフーンという名前を出したが、炎ポケモンは低レベルの爆破ポケモン全般*1に強い傾向があり、
スターミーやフーディンスイクン等がおらず、エースがサンダーやガラガラ、バンギラスあたりのパーティには刺すことが出来る可能性がある。
この条件を満たしているパーティは現環境でそれなりに多いため、そこに刺さる可能性のある炎ポケモンを洗い直してみる。

Lv.55でもLv.50でも人気の炎ポケモン。腹太鼓が目立つものの、素の大文字もLv.50で55サンダーをほぼ3発で倒せるほどの火力を持っているので充分。
飛行のせいでサンダーには倒されてしまうので腹太鼓には依存せず、フシギバナハガネールパルシェン等が居る場合はそれらを起点にして大文字の打ち逃げを繰り返すという立ち回りが、サンダーパーティに対しては刺さりやすい。
バンギラスハピナスカビゴン等に関してはもちろん腹太鼓が肝となる。
また、もしカビゴンパーティからスターミーが姿を消した場合、Lv.55破壊光線型がカビゴンパーティにもかなり刺さる可能性を秘めている。*2
飛行の影響で電気に弱いが、ハガネールヘラクロス*3を起点に出来る。

筆者が個人的に今アツいと思っている炎ポケモン
リザードンと違ってサンダーの電気技を少しは耐え、同速であり、特に日本晴れを持っていれば雷サンダーにはタイマンでも有利を取れる数少ない炎ポケモン

Lv.55 バクフーン 大文字/雷パンチ/爆裂パンチ/日本晴れ@奇跡の実

因みにこの型しか考えていない。起死回生などは難しいと思われる。
雷パンチで50スターミーを確2で倒せ、鈍いを積んで爆裂パンチが通用しなくなった55食べ残しカビゴンも日本晴れ+大文字でしっかり確3で倒せる。
従来、炎ポケモンというのは受け役割を持ちにくく場に出しにくいため、
リザードンやファイヤーが持つ「飛行タイプ」というのが、地面や格闘の受け役割を持てるようになるため有効に働くことが多かったが、
格闘の需要が落ち、サンダーやバンギラスと戦える方がより重要視される最近では寧ろ飛行がアダとなる場面の方が多いと感じて来た。
そう言った意味でもバクフーンは注目株のひとつと言えると思う。

Lv.55 エンテイ 大文字/ソーラービーム/日本晴れ/めざ格@奇跡の実or食べ残し

この型でバンギラスパーティに刺さることは有名。
また、Lv.55食べ残し素眠りスイクンにタイマンで勝てる貴重な炎ポケモン*4
耐久が特に高く、HP・物理耐久・特殊耐久の全ての面で炎ポケモン1位。
素早さもバクフーン等と同じく、サンダーと同速である。
肝心な特攻が低く、日本晴れ+大文字で55食べ残しカビゴンを3発で倒し切れない可能性があるのが惜しい。
また、格闘技枠も目覚めるパワー単体であるため50カビゴンを倒すのに3発かかり、状態異常にも強くないためクソカビに苦戦することが予想される。
対水を妥協するならソーラービームを抜いて鈍いを入れるのも視野。

  • ファイヤー

近頃リザードンにお株を奪われてしまっている飛行枠。
ポケモンとしてはサンダーにもバンギラスにも弱いというのが痛い。
個人的には低レベルで寝言+日本晴れ+大文字@ピントレンズのようにさり気なく決定力を出すような使い方をするのが最もチャンスがあるのではないかと思っている。
また、サンダー昆布に強めなフシギバナハガネールが増えているため、それを出汁に出来るファイヤー昆布というのも一考の余地があるが、
炎の昆布で倒したい相手は主に水やカビゴンハピナス等であり、それらは格闘技や電気技の役割破壊によって克服出来ている炎も多いため、敢えてファイヤーで昆布をする必要性があるかどうかは怪しい所がある。

フーディンムウマが強い限り、一定の活躍は保障されているポケモン
この中では珍しくエースより低レベル向き。
追い打ちもさることながら、寝言+噛み砕く+ピントレンズ型も侮れず、
交代際の噛み砕くの2割の特防ダウンから次の大文字の急所で、同レベルカビゴンを出オチさせる可能性を秘めている。
他の炎ポケモンと違い、あくまで対エスパーやゴーストがメインで、パルシェンフシギバナハガネール等をそこまで意識して構築に組み込むことは少ないため、今回の記事で特に追記する要素は無い。

  • ブーバー

Lv.55 ブーバー 大文字/雷パンチ/クロスチョップ/怪しい光@奇跡の実

ほぼこれがデフォルトと言って良いだろう。
攻撃力以外の全ての種族値で勝っているバクフーンに出番を取られがち。
もちろん爆裂パンチとクロスチョップの差があるため、対カビゴンバンギラスにはこちらの方が安定する。
怪しい光の枠をサンダー意識で日本晴れ等にする場合、バクフーンでやった方が良いかも知れない。

基本的に筆者がガチで採用され得る可能性があると思っているのはここまでである。

例えばサンダー+パルシェンカビゴンで、パルシェンが冷凍ビーム、カビゴンが大文字だったりする時に活躍の可能性があるポケモン
基本的にガン受けキャラで、崩しを狙うのは難しいので今の環境に向いているとは言い難い。
特殊耐久がビックリするぐらい低いので注意。

使うなら神速でマルマインケンタロスに対して何かしたい。
水に対する有効な役割破壊は無いため、両刀でサンダー+カビゴン周りを狙いたい。

あやみが。メロみが。
バクフーン等と同じくサンダーと同速で、特殊耐久が高い。ただし火力が低い。

  • ブースター

バトンタッチ要因としては、現在圧倒的に多い吠える要因であるハガネールに強い点は見逃せない。
鈍い+バトンタッチ、影分身+バトンタッチ、身代わり+バトンタッチ。

いばみが雷サンダーが多いならワンチャンある。
Lv.54以上で55サンダーに先制出来るため身代わりが刺さる。
サンダーは目覚めるパワー氷では身代わりを破壊出来ず、もちろん雷は安定しない。*5
身代わりがあればもちろんフシギバナや冷凍ビームパルシェンブラッキー等も完全に起点に出来るため、
あとはカビゴンを突破する手段を確保しておけばキラーになれる可能性がある。
尻尾を振る+めざ格で50カビゴンを中乱数2発など。
ただ、大文字だけでサンダーを倒すのも時間がかかり、催眠術等も欲しいため技枠が足りないかも知れない。
また、後述のフーディンがLv.50なら同速であり大文字2発で倒せるため、突破出来る可能性が高い貴重な炎でもある。

実はフーディンにガン受けされてしまうことが多い。
10万ボルトや波乗りと違い、炎ポケモンの場合メイン技はほとんどの場合命中率とPPの低い大文字となる。
サブ技でそれ以上のダメージをフーディンに与えられることもまず無いため、フーディンに対しては大文字を打つしか無い。
多くのポケモンは大文字でフーディンの体力を半分を少し切る程度にまで削ることは出来るが、
自己再生を連打して来るフーディンに対し、8発分の大文字だけで突破出来る見込みはかなり薄い。
ヘルガーでさえも、噛み砕くを持っておらず、悪技が追い打ちだけなら自己再生で受けられてしまう可能性がある。
また、日本晴れで大文字を強化出来るが、フーディンに先制出来る炎ポケモンは存在しない*6ため、
結局後出しからアンコールで確実に対策されてしまう。
従って、ほとんどの炎ポケモンフーディンに「ガン受け成立」されてしまう。
対策としては、ピントレンズを持たせて大文字の急所を現実的にしたり、
爆裂パンチで事故を狙う、高い攻撃力を活かして捨て身タックルや恩返し等を持たせる、大文字でなくどくどく+火炎放射、等があるが、
どれも汎用性が高いとは言えないので炎ポケモンフーディンを対策するのは諦めた方が良いと思われる。

もうひとつ、破壊の遺伝子ケンタロスにも基本的に弱い。
ポケモンは、素早さと火力を活かして上から崩す使い方が主なので、
それを更に上回る速さから超火力で押して来るポケモンには基本的に弱い。
状態異常等の小細工も利かないため、マルマインケンタロスを止めることが難しい。
一応、目覚めるパワーを持っていない55エンテイケンタロスの破壊光線を超高確率で耐えることが出来る。


※ 以下、5/31追記

基本的にほとんどのポケモンフーディンで止められてしまうと書いたが、
色々考えたら抜けていた部分があったため、補足。

神速によって、アンコールを掻い潜ってフーディンを倒すことが出来る。
ただし素の火力では自己再生で間に合ってしまうため、鈍いが必要。
鈍い+神速で、同レベルのフーディンを丁度半分程度削ることができ、大文字と2発で倒すことが出来る。
よって、鈍い⇒神速⇒大文字⇒神速という手順を打てば、対面からでもフーディンにタイマンで勝つことが出来る。
フーディンは2ターン目にアンコールを選んだ場合、後手となるため神速をアンコールすることになり、
その場合神速2発で倒れるため自滅行為となる。
3ターン目に自己再生でほぼ全回復出来るが、その後「大文字+神速」を間髪入れずに受けることになるため自己再生もアンコールもする暇無く倒れる。
先制のツメを使って倒すのと同じ要領である。
なお、同レベルなら捨て身タックルでも高確率2発で倒せる*7ため、神速無しで普通に捨て身タックル連打で急所待ちで倒せる場合もある。
当然、ウインディに食べ残しを持たせていない場合、反動ダメージが蓄積される点は注意が必要。
更に、噛み砕くという対抗手段もある。これはほとんど2発では倒せないが、半分近いダメージを与えることは出来るため、
やはり連打で急所or特防ダウン待ちから倒せる見込みはかなり大きい。
以上から、ウインディはどんな型にしてもフーディンにはかなり強気に出ることが出来るポケモンと言って良さそうだ。

  • ブースター

2000で最強のシャドーボールを打つことが出来るため、普通にフーディンに殴り勝てる。
しかも特殊耐久が高いため、Lv.50でも55フーディンにタイマンで殴り勝つことが出来るというのはかなり貴重。
同レベルなら、火力的には捨て身タックルでも充分だが、やはり反動には注意。
また逆に、ブースターがLv.55でフーディンがLv.50の場合、サイコキネシスを3発耐えるに至り、
超低確率ではあるもののシャドーボールで一撃で倒せる可能性すらある。*8撒き菱を1回踏ませた場合、何と確定一撃となる。

*1:更にそれに加え、フシギバナ

*2:Lv.55の腹太鼓+破壊光線で55カビゴンを確1

*3:少ないが

*4:初手日本晴れからソーラービームを連打するだけで単純に殴り勝てる。

*5:余談だが、サンダーに先制して身代わりを貼れるポケモンの中で、目覚めるパワー氷を半減出来るのはスターミーとギャロップだけである。

*6:最速の55ギャロップがようやく50フーディンと同速である

*7:神速が威力80、捨て身タックルが威力120なので、鈍い+神速と同じ火力

*8:呪いのお札を持たせれば中乱数一撃にまで上がる。