突破する必要性と突破力
あるポケモンに対する受けを用意する際、
そのポケモンを「受けるだけで良い」場合と「受けた上で起点にする必要がある」場合とがある。
これはお互いの3匹の組み合わせに依る。
例えばヘラクロスはエアームドに止められる。これは問題なのかどうか。
こちらにエアームドを「起点にした上で全抜き出来るポケモン」*1が居れば問題無い。寧ろ、エアームドにどんどん出て来て欲しいところ。
しかし、例えばエアームドに出せるからと言ってファイヤーを出したところで、
相手にハピナスも居たらそれは意味を成さない。
相手にガン受けが成立していて一生突破出来ないからである。
これは2vs2の例でしか話していないが、3vs3になっても同じことである。
AはBに止められる。BはCに止められる。CはDに止められる。しかしDは誰にも止められない。このとき、Dを持っている側が崩しの期待が持てるのである。
内容が被るが、こちらの記事で言うところのゲンガーが崩しの要素である。
例えばバンギラスは、完璧では無いにしろ後出し出来る相手がそれなりに多く、かつ崩しの要素（決定力）を持っているため、サポメンと一緒にある程度受け回しながら戦いつつ、こちらから突破口を開くということをしやすい。だから一般には、バンギラスのサポートにはハピナスやエアームドと言った受け寄りのポケモンが多く入りやすいのである。*2
55カビゴンもその一例。カビゴンも、バンギラスと同じく、場に出しやすい上に決定力を出せる。だから周りには短命なポケモンよりも長期戦が出来るポケモンの方が揃いやすい。
特に地震カビゴンにとってゲンガーやフォレトス、バンギラスといったポケモンは「何回か流されはするが、いずれ突破出来る相手」なので、サポメンはそれらを「受けるだけ」で良い。*3
ポケモンを評価する指標のひとつとして、「場に出しやすさ*4」と「突破力」があると筆者は考えている。
例えばエアームドは突破力をほとんど持たないが、受け役割の広さが優秀なので、あるポケモンを確実に止めた上で、味方の別のポケモンに起点を作ってもらえばそれで良い。
逆にガラガラは、非常に場に出しにくいが、並外れた突破力を持っているため、場に出すまでにサポートに粘ってもらえばあとの処理は引き受けてくれる。
上記のカビゴンやバンギラスのように両方の要素を持っているポケモンはもちろん強いし、両方乏しいポケモンは残念ながら活躍が難しい。
カイリキーはいわゆる「出しにくい」ポケモンなので、フシギバナ、ヘラクロス、サンダーと言った相手をどうにかして突破しなければならない。
「決定力を持ったポケモン」は、言わずもがなパーティにおいて非常に重要なポジションを占めるため、低レベルではスペックが足りなかったりと荷が重く、出来ればエースに任せたい。
逆に、サポートに関してはキャラの性能そのものよりも、状態異常や壁など「技」が重視されることが多いため、能力の低い低レベルのポケモンでも充分な仕事がこなせる場合が多い。
というわけで、「エースは何らかの崩し要素（出来れば全抜き）を持っていた方が良い」というのが、最近の筆者の持論である。
超火力によって受けが困難なガラガラや破壊の遺伝子ケンタロス、日本晴れファイヤー、鈍いカビゴン、
広い攻撃範囲によって止めづらいバンギラスやエレブー、ベトベトン、
特殊な戦術により相手を安定させない昆布、いばみがサンダー、アンコールフーディンなどなど。
エースが複数居る場合、攻撃範囲は補完させ合っても良い。
ただし、「全く違う攻撃範囲にする」というのは出来れば避けた方が良い。
例えば、雷＋めざ氷のサンダーと、大文字＋めざ格のファイヤーをWAにすると、2体合わせればかなりの攻撃範囲になるが、
前者はハピナス、後者はスターミーという止まるポケモンが別々に居て、
それらを同時に選出された場合どちらのエースを出しても止まってしまうからである。
「基本的に得意な相手は同じ」「ただ細かい部分が変わって来る」というぐらいが良い。
例えばファイヤー＋リザードンはその好例で、どちらもメインは炎技なので草や鋼、蟲などには根本的に強く、
その上でファイヤーはスターミーやカビゴンを突破し得て、リザードンはハピナスやバンギラスを突破し得る。
ガラガラ＋ニドキングも、基本的には地震で電気や炎、毒などには強く、
その上でガラガラはサンダーやカビゴンを突破し得て、ニドキングはパルシェンやエアームドを突破し得る。
エースの攻撃範囲は「片方がa＋b、片方がc＋d」ではなく、「片方がa＋b、片方がa＋c」というのが良い。
（WAを組む際の注意点と似たようなことだったかも知れないが、攻撃範囲に関しては触れていなかったので）
今回の内容は当たり前な部分もあるかも知れないが、
重要だと思っている点なので敢えてまとめさせて頂いた。
