TAのエースに求められる役目6ヶ条(暫定)
TA編成のパーティの研究が進んでいる昨今。
50のポケモンはある程度固定されてはいるものの、55のエースの方はかなり多種多様なポケモンが起用され、
どれも立派な活躍を魅せている印象がある。
今では全く違うエースの組み合わせでTA編成パーティが2つや3つ組めてしまうほど。
しかしながら、使われるポケモンは違っていても、大雑把な役目はそれなりに共通していたりする。*1
では、基本的にどのような役目がそれらに求められているかを少しまとめてみたい。
- 1.55カビゴン+αに強い(タイマン性能)
55カビゴン(特に寝言)を主軸としたパーティは、現在TA編成と双璧を成す強いコンセプトであるので対策は必至。
寝言を含む55カビゴンにタイマンで勝てて、尚且つその周りに居るスターミー、ブラッキー、ムウマ、ガラガラ、フシギバナ、ハガネール、サンダー、ゲンガー、エアームド、パルシェン等のうち出来るだけ多くにタイマンで勝てるポケモンは必須。
ポリゴン2、ミルタンク、ブラッキー、ニョロボン、ピクシー、鈍いめざ格メガニウム等がこれに該当する。
寝言カビゴン対策と地震カビゴン対策を分けることが出来るなら、前者はゲンガー、バンギラス、サイドン等、後者はフシギバナ、ナッシー等でも果たすことが出来る。
(型を工夫すれば55カビゴンにタイマンで勝てるポケモンなんてもっともっとたくさん居るが、キリが無いのでここでは省略する。が、この省略している部分が実は今後の研究で必要な部分なのかも知れない)
「55カビゴン+αに強いポケモン」を1体と、それとは別に「55カビゴンだけにならタイマンで勝てるポケモン」*2を用意しておきたいぐらい。
また以前の記事で述べたように、50リフレクタースターミー+55鈍いカビゴンの組み合わせは非常に硬いため、これに対抗出来る爆弾という意味で、サポメンもかなり限定されて来る。
鈍いor腹太鼓カビゴン、眠り粉ナッシー、鈍いパルシェン、鈍いめざ蟲フォレトス、鈍いor嫌な音ベトベトンあたりか。
- 2.バンギラス+αに強い(全抜き性能)
上記の55カビゴンと違い、サポメンの爆弾に道連れすらさせてくれない場合が多いため、
エースは「バンギラスと同時に後ろのポケモンも牛蒡抜き出来る」という条件が求められる。
幸いにもバンギラスは弱点が多く4倍弱点も抱えているため、これを担当出来るポケモンはかなり多い。
エアームドやフシギバナを倒せるような強力な特殊技と、バンギラスを2発で倒せる程度の格闘技があれば役目を果たせることがほとんど。
しかし受け思考バンギラスパに入りやすい、スイクンやフーディンの対策までは難しいというポケモンが多い。
このため、「全てに対応することは出来ないが、バンギラスを含む3体の組み合わせのうちの多くに強い」というポケモンを、出来れば2体以上欲しい。
ほとんどの炎ポケモン、エレブー、ドククラゲ、オーダイル、ニョロボン、ニョロトノ、昆布スイクン、昆布シャワーズ、冷凍ビームシャワーズ、爆裂パンチベトベトン、ニドキング、ヘラクロス、めざ飛カイリキー、鈍いめざ格メガニウム、フシギバナ、フルアタゲンガー、ハッサム、カイロス、まるころor鈍い爆裂パンチミルタンクetc.
- 3.50でよく使われるポケモン全般に強い(爆破速攻に強い)
爆破速攻ミラーとなった際、このようなポケモンが居ないとただのエース読みクソゲーになってしまうことがあるが、
片方にこのようなポケモンが居れば枚数差を付けやすくなるため一気に有利に持ち込みやすくなる。
「ミラーマッチは5割取れれば良い」という考え方もあるが、55カビゴン全盛期の頃にカビゴンパは相手のカビゴン対策を最も重視して来たのと同じように、爆破速攻複数Aがトップメタである現在では、それだけ「ミラーマッチで勝つ」ことはとても重要になり、勝率にもダイレクトに響いて来る。
この枠に入るのは、こちらの記事の前半に書いたようなことを遂行出来るポケモンである。
バンギラスやゲンガーのように爆破までスカせるポケモンが最も理想的だが、
ただ殴り合いで強いというだけでも、後ろにノーマル耐性を持つポケモンを控えさせておくことによって、相手に爆破させるのに大きなリスクを与えることが出来るためとても有効である。
(つまりこのようなポケモンをこの枠に抜擢した場合、50の枠にはノーマル耐性を持つハガネール、ゴローニャ、フォレトス、ゲンガー等が欲しい。)
ほとんどの炎ポケモン、ヘラクロス、甘えるブラッキー、どくどく守るエアームド、鈍いエアームド、カイリュー、甘えるシャワーズetc.
- 4.1枚残しによりタイマンで非常に多くのポケモンに勝てる
単純に、「爆破+爆破+エース」の形でより幅広い相手に対応出来るようにするための枠。
ただ、基本的に55カビゴンに勝ちたいので、項目1と被りがち。
また、カビゴンには勝てないがその他の多くのポケモンに勝てるというポケモンは、後述の項目6と被りがちなので、この項目は敢えて意識する必要はほとんど無いかも知れない。
何故わざわざこの2匹が抜粋されたかと言うと、これらのポケモンは50の爆破ポケモンから崩しに行くことが難しいため、
エースがこれらで止まってしまうとパーティ全体の決定力速度がガタ落ちし、
パーティの耐久性が低くなりがちなTA編成としては、結果的に先に崩されて速度負けしやすくなるからである。
また、この2匹は弱点が明確であり、特定のポケモンの前では一気に無力化するため、対策さえしておけばアッサリと優劣関係をひっくり返すことが出来るため、「対策した効果が確実に顕れてくれる」というのも大きい。
エースを3匹も用意しておいてどれもこの2匹を倒すのに苦労するポケモンばかり等ということは滅多に無いと思うが、
エース3匹のうち出来るだけ多くがこの条件を満たせた方が良いという話である。
該当ポケモンは項目2と被りがち。その他にはいばみがサンダー等。
- 6.有象無象に強い
実際の対戦はトップメタのメジャーなポケモンやパーティだけでなく、様々なポケモン・パーティを相手にしなければならない。
マイナーなポケモンはひとつひとつを見れば使用率も低く、立ち回りの工夫で何とかなる場合も少なくないが、
果てしなく多種多様なポケモンが存在するため、それらを総合的に相手出来るようなポケモンが居るに越したことはない。
基本的には足が早く、弱点の少ないポケモンがこの分野を得意とする。
破壊の遺伝子ケンタロス、フーディン、自己再生スターミー、ライコウ、サンダー、ガルーラ、ポリゴン2、カイリューetc.
現代で生き残るTAのエースには、これらの条件が求められていると感じている。
エースの3匹のうち、出来るだけ多くが、これらのうち出来るだけ多くの条件を満たせた方が良いというのが現在の筆者の考えである。
当ブログで何度か例として扱っているポニョゲンガーを今回も例に取ってみると、
ポリゴン2⇒1(不完全),4,6をクリア
ニョロボン⇒1(不完全),2をクリア
ゲンガー⇒1(不完全),2,3,5をクリア
となり、3匹で全ての条件を満たすことが出来ている。
1はどれも不完全ではあるものの、全てのエースがある程度は満たすことが出来ているため、
相手のサポメンの編成によって自由にエースを選択出来るのが何よりの利点となっている。
もうひとつぐらい例として、Party Boxに投稿されているエンテイメガニウムTAを見てみよう。
エンテイ⇒2,3,5をクリア
メガニウム⇒1,2,4,6をクリア
バンギラス⇒2,3をクリア
これも全ての条件を満たしている。
面白いことに、TAの基盤となっている爆破速攻TAは、これらの条件をほとんど満たせていない。
せいぜいケンタロスが6、光の壁+ガラガラが4を満たしているぐらいであるし、
実際に1,2,3,5あたりが不完全なせいでそこを弱点としていることも事実である。*3
これは、TA編成の研究が進んだ証拠とも言えるかも知れない。
今後の研究次第で、更に条件は増えたり、またメタ次第では満たす必要の無くなる条件が出て来たりすることもあるだろう。